【第31回】政治献金問題から垣間見える鳩山代表の資質

【第31回】政治献金問題から垣間見える鳩山代表の資質
まだ直近の出来事であり、詳細は未解決であるにもかかわらず、表題通り「すっかり忘れられている」問題について、本日、日本記者クラブで開かれた主要6政党の党首討論開催記事よりご紹介。

民主党鳩山由紀夫代表は17日午後、日本記者クラブで開かれた主要6政党の党首討論会で、政治資金収支報告書の個人献金欄に献金していない人や故人が記載されていた問題について「元秘書が保身のため、献金をもらったかのように見せ掛けてしまった」と述べ、経理担当者の個人的な行為との認識を重ねて示した。政治資金の出所に関しては、母親ではなく自身の資金だったとあらためて説明した。
同時に「税額控除(悪用)のようなことを図った事実は1件も報告されていない」と述べ、脱税疑惑を否定した。
自民、公明両党が衆院選共通公約に盛り込んだ、会計責任者が法違反をした場合に監督責任がある議員の公民権を停止する政治資金規正法改正に関し
「政治をクリーンにすることは大変良い話だ」と述べ、前向きに検討する考えを示した。』


根本的な疑問である「何故秘書が献金をもらったかのように見せ掛けたのか」という点がこの記事では相変わらず不明なので探してみると以下党首討論の詳細がありました。 


司会者
政治資金の虚偽記載の問題で、秘書が刑事処分になった場合、国会議員も政界から退場すべきだという法律を公明党がつくることに関して、鳩山代表は前向きな態度を示した。
法律ができる前でもそうしたことを考えているか。また、虚偽記載以外にも、税額控除の問題や資金の出所が母親であり、相続税の問題もあるのではと指摘されているが。
弟の鳩山邦夫総務相からは「黒い鳩」とも表現されている。
鳩山代表
「弟にはいわれたくないなという思いがあるわけではありませんが、これ以上、言うつもりはありません。
わたくしは、まず国民のみなさんに改めて、秘書のやったこととはいえ、いわゆる虚偽記載という事実があったことを率直にお詫びをいたしたいと思います。
その理由の話を若干申し上げれば、国民のみなさま方にも、もう少し理解していただけるかと思っておりますが、もともと、その、もう元秘書ではありますが、秘書がわたくしに対して保身の思いで、すなわち、しっかりとした仕事やってるぞということをみせるために、寄付をもらっていない人であるにもかかわらず、もらったかのように見せかけてしまったということであります。大変、そのようなことをしたことはけしからんことだと思って、大いに反省をしているところであります。しかしながら、利権の政治という意味においてはやましいことはないということも、申し上げておきたいと思います」
「そこで申し上げるのは、いわゆる税額の控除みたいなことを図ったという事実は、少なくとも弁護士を通じてわたしのところに1件も報告されておりません。
従ってわたしはなかったと、そのように思っています。くどいようですけれども、その目的自身が違ったものでありますので、そのようなことはない。それから出所に関してでありますが、最初はわたくしも、何かあるかなみたいに思って、一生懸命調べたわけでありますが、それは一切ありません。少なくとも出所に関しては、すべてわたくしのお金であります。それだけは間違いありません。」


相変わらず、何も答えていないのと同様ですし、証拠も示していません。
あと故人献金や未献金献金の影ですっかり忘れられていますが、5万円以下の匿名献金献金額も鳩山代表が突出して多いことについての詳細も明かしていません。
そもそも。
『秘書がわたくしに対して保身の思いで、すなわち、しっかりとした仕事やってるぞということをみせるために、寄付をもらっていない人であるにもかかわらず、もらったかのように見せかけてしまった』
何故国会議員の中で(実質的には)一、二を争う資産家である筈の鳩山代表に個人献金が多くないと秘書的に困るのでしょう? 鳩山代表本人がノルマを課したわけでもあるまいに。
よしんば、秘書が本当に「いいところを見せよう」と一人で暴走したとしても、何年にもわたり、何千万円も自分の資金が使い込まれている(自己資金なので循環しているだけ、という言い訳は出来ますが)ことに気付かないこと自体が責任ある政治家として責められるべきであって、これまで「政治と金の問題」で「秘書が勝手に」と言い逃れしてきた政治家を徹底的に批判してきた人物の行動とは思えません(但しこれに関しては自民党議員も社民党議員も同じですけれど)。


ただ自分はネットの各所の書き込みに見られるような「出所の怪しい海外資金の付け替え」があったなどということは考えていません。
こればかりは(普段云ってることが殆ど支離滅裂なので信じがたい)弟の鳩山邦夫議員の話の方が実体に近いと思われ、恐らく鳩山家の資金(鳩山由紀夫氏の資金ではなく)と政治資金の区別がついていないのでしょう、本人的にも。
既に忘れられている方が大半だと思いますが、そもそも設立当初の民主党の資金25億円の出所のうち15億円分が鳩山代表個人の資金だったと云われています。
こうなると殆ど「私党」であって、明治期の政党誕生の歴史を見ているようですが、結果的に自らの資金で結成した党は、途中合流した小沢一郎氏に乗っ取られた形になり、本人は閑職に回されます。
党首が岡田氏や前原氏のラインで移行していた場合、政治的影響力は地に落ちていたでしょうが、幸いにもというべきか、まだまたまだ資金的に余裕がある鳩山氏を、小沢一郎は「有効利用」する道を見つけた、というのが民主党における鳩山氏の本来の立場です。
そういう視点で見れば、鳩山氏本人的には本当に心底「何故こんな事が問題にされるのか?」と思っている可能性を否定できません。
何故って「自己資金と政治資金と政党の資金の区別」がついていないのですから。


で、やっと本題に入りますが。
この鳩山代表の無頓着さは政治姿勢にも共通することで、最近の問題ですと「非核三原則の在り方」についての見解がほぼ毎日(三日間で三回)にわたってブレる格好になりましたが、これは「自分の本来の主張」と「党の主張」と「連立相手(この場合社民党)の主張」の折り合いを付けず、毎日それぞれの立場で話してしまうので、ブレた格好になるのです。
本人的には他者の主張を汲んでいるつもりでしょうが、これこそ「本物のブレ」です。
今度の衆議院選挙では十中八九、民主党が勝利を収めるでしょう。
そして鳩山由紀夫総理大臣が誕生することでしょう。
ですが。
その総理大臣が、如何なマスゴミの大応援団に支えられたとしても、早晩――偏向報道でもなんでもなく実体として――毎日のように「ブレ」まくり、政治に混乱を巻き起こすであろう事だけはここに「予言」しておきます。
(続く)