【第24回】テレビ視聴時間と支持政党

【第24回】テレビ視聴時間と支持政党
本日の読売新聞の記事が大変興味深かったので、以下引用します。

読売新聞社が全国のインターネット利用者1000人を対象に実施している「衆院選ネットモニター」の第2回調査の結果が7日まとまった。
18日の衆院選公示を前に、自民党の評価が若干持ち直した。
調査は、7月21日の衆院解散後の7月29〜8月3日に行った。
各党の評価を0〜100度の「温度」で表現してもらう「政党温度計」(50度を超えればプラス評価)では、民主党52・7度、自民党40・3度で民主党が上回った。
ただ、解散前の7月8〜13日に実施した第1回調査からの上昇幅は、民主党0・8度、自民党2・2度と自民党の方が大きかった。
調査を監修している明治学院大の川上和久副学長(政治心理学)は、「自民党は解散で党内のゴタゴタが目立たなくなり、政権選択選挙の中で一枚岩になった印象を与えているのではないか」と分析している。
ただ、民主党への支持は依然強く、2005年衆院選の比例選で自民党に投票した人のうち、35・8%が今回は民主党に投票すると回答し、再び自民党に投票するとした33・4%を上回った。
平日の1日のテレビ視聴時間ごとに比例選の投票先を見ると、30分未満の人は自民党24%、民主党29%と5ポイント差だったが、2時間以上・3時間未満は自民党17%、民主党38%で、視聴時間が長いほど民主党への支持が強まる傾向が出た。
(2009年8月8日02時22分 読売新聞)』


ポイントはここですね。
>>平日の1日のテレビ視聴時間ごとに比例選の投票先を見ると、
>>30分未満の人は自民党24%、民主党29%と5ポイント差
>>2時間以上・3時間未満は自民党17%、民主党38%
>>視聴時間が長いほど民主党への支持が強まる傾向が出た。
昼間、働いている人間は当然見られないわけですが(当然自分も)、漏れ伝え聞いたり、ネット動画に転がっている朝や昼のワイドショーにおける民主党への肩入れぶりは尋常ではないようで。
代表例を上げると、これまで長年にわたって「弱者の立場と共にある」という立ち位置から、政治家、官僚、警察官、大企業等の、いわゆる「社会的強者」の不正を追求してきた鳥越俊太郎氏です。
小沢一郎氏政治家秘書の逮捕の際のテレビ朝日スーパーモーニング内での発言。
政権交代、選挙が迫っている時期になぜ今やらなければいけないのだ。選挙終わってからでもよかったんじゃないのか。確かに時効はあるけれど、やれる分はあった。そうすると、何かやっぱり特別に小沢さんが狙い打ちにされたのではないかという思いを持つ人も居るだろうと思う』
同じく鳩山由紀夫氏の所謂故人献金問題の報道においては。
『秘書の浅知恵でしょう』
そして同じく鳩山代表の「この間出したのは政権政策集です。正式なマニフェストではない」という発言が「ブレている」という批判に対しては。
『橋下さんの意見を取れ入れる事になるが、ただ鳩山さんはこれが最後だみたいな言い方をしたので国民のみんなが誤解をしたと思う』
民主党を擁護するあまり、遂に国民に対して責任転嫁まで始めました。


鳥越さん、あなたは長年何のためにジャーナリストをやってきたのですか?
社会的強者の不正を追及し、弱者の立場を守るためではなかったのですか?
学生時代以来、鳥越氏が司会を務める「ザ・スクープ」を毎回見て社会問題に目覚めた自分としては悲しい気持ちで一杯です。
別に現政権への批判を止めろと云っているわけではありません。
しかしたとえ野党であっても、小沢一郎氏も鳩山由紀夫氏も一般人からみれば、圧倒的な社会的強者です。
何故彼らに対しては批判しないのですか? 当然、政権交代を実現させるためですね?
ここには既に「弱者とともにある」という初期の彼のジャーナリスト精神はありません。
「国民を騙してでも政権交代さえ実現すればいい」
そんな傲慢きわまりないアジテーターがいるだけです。
これは勿論、日本のマスコミ全般に云える話で、鳥越氏だけの話ではありません。
ですが、昔は尊敬していただけに、とりわけ鳥越氏のこの“変節振り”には失望せさるを得ません。


「愚民を誘導して政権交代を実現させる」
これがこの数年の日本のマスゴミの偽らざる実体でしょう。しかも今回は「椿発言」のような、誰かが命じての意図的な偏向報道はきっとありません。
それぞれのマスコミ、それぞれの(自称)ジャーナリストが、阿吽の呼吸で、というよりも「手柄を競い合う様に」政権与党を攻撃し、政権交代を実現させようと報道合戦。
安倍政権当時はまだ事務所費問題など法的に怪しいものを追求していたのが(以前指摘したように民主党側にも同様の問題があると分かった時点で報道は消えましたが)、ネタが尽きると、漢字の読み間違い、プライベートタイムの過ごし方への批判。
漢字の読み間違いで、誰かの人権が侵害されるのですか?
プライベートの時間に、自費で高級バーで飲んでいたら景気が悪化するのですか?
後者に至っては、少なくともお客が一人減ればその店の売り上げは落ちます。誰一人、得をしません。ただ一部国民の「自分の行けないような高級店に行くなんてけしからん」という、醜い嫉妬心が、幾ばくか軽減されるだけです。
本当にマスコミ報道とはそんなものでよいのでしょうか?
なおマスコミ報道と国民の「嫉妬心」についての相関については、また稿を改めて述べたいと思います。
(続く)